5年目の11月に会社を辞めてからは、少ない退職金を持ってお金がなくなるまでタイで過ごそうと決めて出国しました。
バンコクへやって来た時は、ゆっくりしたいという気持ちが強く、そのまま就職するとは考えてもいませんでした。
カオサン通りを定宿にしながら、バンコクの街で遊び惚ける日々を送っていると、ひょんなことからバンコクで人材紹介会社を起業したばかりの日本人と知り合いました。
その方は私と2歳しか変わらなかったのですが、信念を持っている方で考え方などは10歳くらい上のように見えました。いつしか初めて会った日からローカル屋台で夕飯を一緒にすることが毎日の日課のようになっていました。
約1ヶ月たった時に「ところで、これから何したいの?」と聞かれ、黙っていると「ウチ来る?」と誘われ、流れに任せるように2日後くらいから、その方の人材紹介会社に就職することになりました。
今と違って、その頃はまだまだ労働許可証については緩かったので慣れるまでは取らないでおこうという考えから半年くらいはタイを出たり入ったりを繰り返しながら昼は会社で働き、夜はタイ語学校に通う日々を過ごしました。
ようやく仕事に慣れ、タイ語も理解出来るようになり、またアパートメントを借りたところで正式に就職することになりました。
それから人材紹介会社の仕事は、初めの会社が入社後3年で業績悪化により吸収合併されてしまいましたが、親が倒れ日本へ帰国した2年前まで働いていました。人材紹介会社の仕事というのは、雇用者が欲しい企業側の気持ちや、働きたいと思う求職者の気持ちの両方がわかるので凄く楽しかったです。
また、いわゆるキャリアアップと呼ばれる転職して技術を身につけたり給料が上がったり、前職よりも何もかもが好転するような求職者がいると、何年経っても感謝の意を述べられるのでとてもやりがいがあります。
2年前に母親が倒れたのを機に退職し日本へ帰国しました。日本に帰ってからはタイ料理屋でアルバイトをしながら、親の看病を1年続けていると、すっかり母親は以前よりも元気を取り戻しました。ちなみにアルバイトをしていたタイ料理屋で今の奥さんと出会いました。